米原子力協会・年次総会で サザン社が注目の的に

米原子力エネルギー協会(NEI)は18日から19日にかけ、サンフランシスコで年次総会を開催。「原子力のニューフェイス」をテーマに、原子力ルネサンスの活気に湧く総会となった。原産協会からは下山俊次顧問ら2名が参加した。

【サンフランシスコ=石井敬之特派員】 年次総会では、ニューフェイスであるノースロップ・グラマン社の原子力産業界への参入に関する動向や、ツイッターなど新しいソーシャル・メディアが台頭する現代の危機管理対策などが紹介され、新時代を予感させる動きもあった。しかし最も話題となったのはサザン・カンパニーだ。同社のアルビン W.ボーグル発電所増設プロジェクト(AP1000×2基)がオバマ政権から初めて融資保証を付与されることになったことは、米原子力産業界を活気付けており、同社は今回、原子力産業界を牽引した企業に与えられるウィリアム・ステイツ・リー賞を受賞した。

同プロジェクトの地元であるジョージア州公益事業委員会(PSC)のS.ワイズ委員も講演し、「コストなど経済性だけでなく、相互間の信頼と対話が決め手となった」とプロジェクト承認(昨年3月)に至った経緯について述べた。また同社の会長社長兼CEOであるD.M.ラトクリフ氏は、安全こそがトップ・プライオリティだとした上で、すでに建設前準備作業や運転員の訓練に着手していることを明らかにし、今後COLを取得次第着工し、3号機を2016年、4号機を2017年にも運開させるとの見通しを示した。そして同氏は、「我々がトップを走っているが、今後は産業界全体が後に続こう」と各社のCEOが居並ぶ会場全体に力強く呼び掛け、喝采を浴びた。

なお「UAEの原子力発電計画」と題し、アラブ首長国連邦原子力公社(ENEC)のM.アルハマディCEOの講演も行われたが、会場からの質問もなく、米産業界の海外動向へ対する関心の低さが伺えた。


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