全原協総会 河瀬会長は再任 特措法延長など要望

全国原子力発電所所在市町村協議会(全原協、会長=河瀬一治・敦賀市長)の今年度総会が1日、東京・千代田区の全国都市会館で開かれ、今年度末に期限切れとなる原子力発電施設等立地振興特別措置法(特措法)の延長や、電源地域振興センターの政府事業仕分けで廃止となった振興指導事業・産業育成支援事業の復活などを要望する提言の採択、河瀬会長の再任などを決めた。

提言ではこのほか、@高レベル放射性廃棄物の処理処分対策について、「最終責任をもつ国が主体となり、自らが先頭に立って進めること」A電源開発促進税の特別会計の立法趣旨に反する一般会計への直入れの見直しB交付金は運転終了まででなく、施設解体撤去時までの延長C現実に40年を超えて運転している実態に即し、固定資産税の税制上の耐用年数の延長――などを要求している。

河瀬会長は挨拶で、「現場である立地市町村の声を聴いて、地元が誇りと自信を持って原子力を推進できるよう関係者の協力を願いたい」と述べた。

政府からは増子輝彦経産副大臣が挨拶し、「鳩山政権では現在、新成長戦略などを作成中で、柱の1つが原子力の推進だ。稼働率の向上にも取り組んでいる。交付金の使途についても一定の拡大を行った。国と地方が連携しながら、取り組んでいきたい」と述べた。また、中川正春文科副大臣も、「民主党では、エネルギー政策の中で、原子力を暫定的なものではなく、中核的なものとして位置付け歩みを進めてきた。海外展開では、安いコストで受注するよりも、地元対策など日本の力を発揮して売り込んでいくべきだ」と語った。

総会後、鈴木篤之・前原子力安全委員長が「『環境の時代』原子力」と題して基調講演を行い、社会の変化や科学技術の進歩を受けて、不断の取り組みや新知見の反映に努めてきており、「地元の人々も、いままでと異なることを事業者や規制当局から聞くと、不安を感じることがあるかも知れないが、新しい科学的知見に耳を傾けてほしい」と訴えた。また鈴木氏は、スウェーデンなどで高レベル放射性廃棄物処分の進展が著しいことを挙げ、「いずれも原子力発電所のそばだ。地元との信頼関係をそこまで高めた結果だと思う」と述べた。


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