米PSEG社、新規建設計画念頭に 事前サイト許可を申請

米国のパブリック・サービス・エンタープライズ・グループ(PSEG)は5月25日、ニュージャージー州で新設する可能性のある原子力発電所の事前サイト許可(ESP)を米国原子力規制委員会(NRC)に申請した。建設・運転一括認可(COL)で建設計画を本格的に進める前にESPを取得。十分な検討期間を設けて、先行するその他の新設計画の進展具合を見極めるとともに、規制条件や地元のエネルギー政策が建設に適していると判断できた段階で計画を決定する方針と見られている。

PSEGが原子炉の新設に適するとして審査を申請した場所は、同社がニュージャージー州で保有するセーレム(PWR2基)、およびホープクリーク(BWR1基)両原子力発電所の隣接区域。隣り合って立地するこれら2発電所の敷地は合計で300ヘクタールにおよび、現在米国内で2番目に大きな原子力サイトとなっている。

審査過程においては、地震学、水文学、人口分布、緊急時計画などサイト特有の要因について安全性が評価されるほか、環境面では、原子力発電所の建設工事と運転による影響が見積もられる。また、申請に際してPSEGは、複数の原子炉設計の採用が可能になる「プラントパラメータ包絡(PPE)」を使用。これは実際に建設する原子炉設計の代替情報となる数値体系で、それぞれのパラメータの上下限を反映している。これにより、同社は採用原子炉技術を選択せずに当該サイトで今後の開発資格が与えられることになる。

ESPは20年間有効で、さらに10〜20年間の更新が可能。原子力発電所の建設に関する許認可では、ESPであらかじめ候補サイトの適合性について許可を取得しておけば、後に建設計画を進める判断を下し、建設・運転一括認可(COL)を申請する際、ESPをCOLの一部分と見なすことができる。

ESP審査は通常、3年を要するが、NRCはこれまでに、サザン社のジョージア州ボーグル・サイトやドミニオン社のノースアナ・サイトなど4件についてESPを発給済み。また現在、エクセロン社が申請したテキサス州ビクトリア・カウンティ原子力発電所候補地でもESP審査中だ。


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