日経主催シンポ 武黒東電副社長が表明 「要求に応え、ベトナム受注に全力」日本経済新聞社は7日、東京・大手町で日経環境シンポジウム「日本と世界の環境技術連携」を開催し、午後にはパネル討論「世界に貢献する日本の原子力発電技術」を、国際協力銀行の前田匡史・国際経営企画部長をコーディネーターに行った。 パネリストには五十嵐安治・東芝執行役上席常務、茅陽一・東京大学名誉教授、武黒一郎・東京電力副社長、横尾英博・資源エネルギー庁電力・ガス事業部長の各氏が参加した。 茅氏は、現在、日本のCO2排出の約4割が発電部門からのものであり、今後さらに、電気自動車、ヒートポンプなどの普及によって、1次エネルギーに占める電化率は高まり、2005年に約45%だったものが、20年には50%を超える見通しだ、と指摘。従って、発電分野の低炭素化方策が重要で、コスト、設備利用率、出力安定性、資源供給安定性、CO2削減ポテンシャルの各要素を考慮すると、最も「原子力発電所の拡大」が有利だ、と強調した。 ただ、資源供給安定性について多くの国が採用している現行のワンス・スルー方式では十分ではなく、高速増殖炉プラス燃料サイクルが必要だ、と指摘し、日本自身が解決する課題であり、核不拡散との整合性を図るためには、「一定範囲の先進国と途上国の連携」が取れるかどうかが問題だ、と訴えた。 武黒副社長は、特にベトナムからの受注案件について、ベトナム政府が提示しているプラント発注先選定の6条件である@高い技術の保有A建設資金協力B燃料の安定供給C人材育成D使用済み燃料の扱いEベトナム産業育成への協力――について、日本の強みを活かした十分な対応が可能で、官民一体となったオールジャパン体制で積極的に対応していく、と強調した。 五十嵐常務は、東芝の世界戦略を紹介し、ウラン生産などのフロントエンドから、プラントの建設・運転・保守、再処理のバックエンドまで、「一貫した原子力発電システム提供で世界に貢献したい」とした。 |
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