日印政府 協定交渉を開始 世界の趨勢、日本も積極対応 岡田外相が意義強調 「産業政策に貢献」

日本政府はインドと原子力協力協定締結に向けた第1回交渉を6月28、29日の両日、東京都内で行った。二国間交渉の開始は、岡田克也外相が25日の記者会見で初めて明らかにした。核不拡散条約(NPT)に加盟せず核保有にまで至ったインドとの平和利用協力を目指す意義について、同外相は2年前の原子力供給国グループ(NSG)のインドへの例外的輸出承認以降の世界的な趨勢、地球温暖化対策への貢献、我が国のエネルギー・産業政策などへの寄与などを挙げ、唯一被爆国としての国民感情がある中で、「総合判断して、非常に苦しい判断ではあるが、協定締結をめざすことにした」と説明した(=2面に外相発言)。G20トロントサミットに出席していたシン・インド首相は27日、菅直人首相との首脳会談で、「日本との間で協議のプロセスが始まったことを喜ばしく思う」と述べた。(=3面に印加原子力協定調印記事)

東京での二国間交渉には、日本側から北野充・外務省南部アジア部審議官(日インド原子力協定担当日本外務省特別代表)を交渉団長とする関係省庁の関係者が、インド側からゴータム・バンバワレ外務省東アジア局長を交渉団長に関係者が出席した。

今回の交渉では、日印間で、今後の取り進め方についての議論のほか、協定の内容に関する協議を行った。次回はインドでなるべく早い機会に開催する方針だ。

27日(日本時間28日)のトロントでの日印首脳会談では、シン・インド首相が、日本が環境・エネルギー問題といったグローバルな課題について、指導力を発揮していることを歓迎しているとした上で、「民生用原子力分野でもさらに協力関係を築いていきたい。日本との間で協議のプロセスが始まったことを喜ばしく思う」と述べた。

これに対して菅首相は、「民生用原子力分野での協力について、「インドによる原子力の平和的利用のために協力できることは大いにあると思う。政府としてもさまざまな形で協力したい」と述べた。


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