ベトナム首相、2030年までの開発計画承認 14基、1500万kWに

ベトナムのN.T.ズン首相は6月23日、2030年までに8サイトで原子炉14基を運開させるとした原子力発電長期開発計画を承認した。原子力発電所の設計から機器の製造、建設、設置、操業および保守点検に至るまで、ベトナム原子力産業界が徐々に参画の度合いを深めていき、独自の管理体制および効果的な開発利用体制の確立を最終的な目的としたもの。さしあたり、30年までに1500万〜1600万kWの原子力発電所を建設し、総発電設備容量の約1割を原子力とする計算だ。

ベトナム原子力委員会(VAEC)を改組して発足した原子力エネルギー機構(VAEI)によると、同計画では30年間を3分割し、2015年までの第1段階では初号機建設に必要なタスクを実施する。すなわち、投資計画およびサイトの承認に続いて主契約者を選定、プロジェクト管理要員や技術者の訓練などを行う。また、国内原子力産業が将来的に発電所開発の各部門に深く関わっていけるよう体制と政策を整備する。

20年までの第2段階では、ニントゥアン第1発電所の建設を完了。ベトナムの初号機となる1号機の営業運転は20年に、同2号機は21年に開始させる。また、ニントゥアン第2発電所の建設工事を開始するとともに、後続原子力発電所のサイト選定を実施する。

30年までの最終段階では、原子力を同国の主力電源の1つとして開発。設計技術のマスターを目標に据え、諸外国のパートナーとともに設計作業に当たり、契約総額の3〜4割に相当する作業への参加を目指す。

設備容量は2020年までに100万kW程度を商業運転させることとし、25年までに800万kWに拡大。30年には総発電設備容量の約10%に相当する1500万kWとなるよう、開発を進めていく計画だ。

建設サイトとしては、ニントゥアン省の2地点を含め、中南部のビンディン省、フーイエン省、中部のクアンガイ省、および北中部のハーティン省の5県に8地点を検討中。各サイトに4〜6基、合計14基を建設するとしている。


お問い合わせは、情報・コミュニケーション部(03-6812-7103)まで