掘削が処分深度に到達 フィンランドの処分調査施設建設フィンランドで使用済み燃料・深地層処分の実施主体となっているポシバ社は6月17日、地下岩盤特性調査施設(ONKALO)の掘削工事で最終処分深度となる地下420メートルに達したと発表した。ONKALOでの研究情報は2012年に予定している使用済み燃料処分場の建設許可申請で必要となることから、プロジェクト推進において大きな節目を迎えることとなった。 同国では原子力発電所から出る使用済み燃料は再処理せず、高レベル放射性廃棄物(HLW)として深地層に直接処分する方針。電力2社の出資により設立されたポシバ社が最終処分の研究開発や処分場の建設・操業を実施することになっている。1999年に同社が選定したユーラヨキ地方のオルキルオトは、2000年に同国政府が最終処分場建設サイトとして原則決定、翌年には議会も承認した。同サイトの精密調査のために2004年に着工したONKALOは、最終的に処分施設の一部として利用されることになっている。 ポシバ社によると、これまでの坑道掘削と研究により、地上での掘削と計測で得られた理解――すなわち、オルキルオト岩盤が処分場として適しているということが確証された。最終処分場となる深部では合計5本の研究用ニッチ(短い坑道)を掘削し、岩盤の応力や水理化学、水の浸透性などといった特性の詳細調査を実施する。 試験・実証用の坑道2本は、処分用坑道とキャニスター孔に適した岩盤量を特定し、規制要求項目を満たした坑道を掘削するための準備体勢を示すために掘る予定。岩盤深部ではまた、機器・メンテナンス施設のための掘削も行う計画で、これらすべての作業は2011年までに完了することになっている。 ポシバ社はすでに、深度350メートル部分で岩盤応力の調査を始めているほか、地上では換気用建屋の基礎工事作業に集中している。 |
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