ロシア 世界初の海上浮揚型原発が完成

ロシアの総合原子力企業であるロスアトム社は6月30日、世界で初の海上浮揚型原子力発電所(FNPP)である「アカデミック・ロモノソフ」がサンクトペテルブルクのバルチック造船所(BZ)で完成したと発表した。

FNPPは航行用推進システムを持たないが、発電用の舶用原子炉KLT―40S(出力3.5万kW)を2基搭載。完成式典に出席したロスアトム社のS.キリエンコ総裁やサンクトペテルブルク州のV.マトビエンコ知事らの見守るなか、タグ・ボートに曳航されて進水した。

FNPPの全長は144メートルで幅は30メートル。1サイクルにつき12年間の運転サイクルで3サイクル、合計約38年間の操業が可能で、送電線の設置や取り替え用燃料の輸送が非経済な遠隔地域においては、従来の地上設置型原子力発電所を建設・運転するより格段に経済的だという。

キリエンコ総裁によると、ロシア国内では極北の遠隔地域で特に、FNPPのように低出力の発電所の需要が高く、国外では開発途上国や脱塩用原子炉を必要とする国などから多くの関心が寄せられているとしている。

FNPPは2007年4月にセベロドビンスクで着工、組立て工事は昨年5月にBZで始まった。今後は約2年間の試運転を経て、2012年末までに極東カムチャツカ地方で「ビルチンスク原子力発電所1号機」として運開する見通しだ。


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