カナダ・NB州のポイントルプロー原発 FSでアレバに内示書

カナダのニューブランズウィック(NB)州政府は8日、同州で唯一の原子力発電所であるポイントルプロー発電所における2号機増設の実行可能性調査(FS)について、同発電所を所有するNBパワー社とともに仏アレバ社への発注内示書(LOI)に調印した。

カナダではこれまで、カナダ原子力公社(AECL)製の重水炉のみが稼働していたが、今回のLOIでアレバ社は第3世代+の中型軽水炉となる、(1)出力125万kWのBWR「KERENA」(2)日本の三菱重工と共同開発している出力110万kWのPWR「ATMEA1」を提案。同国で初めて、軽水炉が建設される可能性が出てきた。

NB州ではかねてより同州を東部沿岸地域のエネルギー・ハブとする構想を進めており、2号機の増設は再生可能エネルギーなどとともに同構想をクリーン・エネルギー・パークとして具現化する重要な要素。建設および運転期間中に大規模な雇用が創出され、原子力関連の研究・教育・製造・設計分野の拠点となることも期待している。

アレバ社は原子炉に限らず、同パークを構成するあらゆるエネルギー設備の建設や新たな研究開発への投資を通じてエネルギー・ハブ構想の実現に向けた支援を約束。FSで良好な結果が出れば、軽水炉の設計・建設のみならず、資金調達を含めた建設計画全体に責任を負うため、州政府は財政リスクを免れることができる。同社はまた、同州を原子力研究開発における中心センターとすべく、州内の大学教育や教育訓練についても協力を表明しており、NB州政府およびNBパワー社は今年末までに、これらすべての協力分野をカバーする詳細な協定をアレバ社と結ぶ考えだ。

2号機の増設についてNB州政府は2007年、AECL製の最新型炉であるACR―1000の採用を想定し、AECLが率いるコンソーシアムである「チームCANDU」および、第三者機関であるMZコンサルティング社に事業実現可能性の調査を委託した。両社の調査は報告書として州政府に提出されたが、AECLが並行して進めていた同1号機の改修工事が大幅に遅れ、14億ドルの予算を超過する見通し。こうした背景が影響し、AECLへの2号機発注は見送られたと伝えられている。


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