六ヶ所再処理 実規模試験踏まえ ガラス溶融炉の運転方法を改善

日本原燃は15日、六ヶ所再処理施設の高レベル廃液ガラス固化建屋ガラス溶融炉運転方法の改善に係わる検討結果を、原子力安全・保安院に提出した。

六ヶ所再処理施設のアクティブ試験は現在、第5ステップ途上だが、ガラス溶融炉の流下性低下や、かくはん棒の曲がり、天井レンガ損傷などにより、中断されている。これら事象を受け原燃では、東海村にある実規模試験施設「KMOC」で、模擬廃液を用いて試験を実施してきた。

今回の検討結果では、第5ステップでの運転データ評価や不溶解残渣成分に関する調査を踏まえ、「KMOC」で実施した試験結果をもとに、ガラス溶融炉の運転方法改善をとりまとめている。

それによると、第5ステップにおける運転条件の炉内状態への影響として、(1)流下ノズルの加熱性低下(2)底部電極冷却温度設定(3)ガラス温度計指示値の変動(4)炉底部の温度――を確認したところ、炉底部温度が高いことで白金族元素の沈降に影響し、流下時と同じ不具合が起きている原因となっていたことなどが判明した。これら試験結果を踏まえ、今後の安定運転に向け、ガラス温度の測定点を増やし温度管理を十分に行うなど、改善を施すこととした。

ガラス溶融炉では、脱落したレンガの回収を6月末に終了後、7月2日に炉内に残留していたガラスの抜き出し作業を終了しており、今後のアクティブ試験については、運転方法の改善を施した上で、実機で模擬廃液を用いて運転するなど、「KMOC」との比較評価も行いながら進めていくこととしている。


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