米・B&W社とベクテル社 小型炉の商業化で提携

米国のバブコック&ウィルコックス・ニュークリア・エナジー(B&W NE)社とベクテル・パワー社は14日、第3世代++のモジュール式小型炉(SMR)となる「mPower」の商業化で正式に提携することになったと発表した。

米国では30年ぶりに新規原子炉の建設計画が具体化していく一方で、巨額の初期投資がネックとなり、頓挫せざるを得ない計画も出始めている。両社によると、SMRは工場内での製造・組立が可能なほか、工期が短くて価格も手頃となるため、小規模の電気事業者にも手が届くなど、北米市場で潜在的に大きな需要が見込めると判断。B&W社が過去2年にわたって開発してきたmPowerSMRの技術をベクテル社の協力により設計・製造・建設および販売の段階に進めるべく、新たな提携事業体「Generation mPower」の設立で合意に至ったもの。

mPowerは出力12.5万kW〜75万kW規模の一体型原子炉設計で、受動的な安全システムを装備。地下に設置する方式なので、安全性はさらに高いとしており、運転サイクルは燃料交換インターバルの4.5年となっている。運転寿命である60年間は建屋内に使用済み燃料の貯蔵が可能で、立地地域のニーズに合わせて1基〜10基まで基数を増減できるとしている。

B&W社は主に、米原子力規制委員会(NRC)への設計認証(DC)申請を含め、原子力蒸気システム(NSSS)部分の設計・開発などを担当。ベクテル社は原子力産業界における過去60年の実績を生かし、総合エンジニアリングとプロジェクト管理の部分に責任を負う。

現在の計画では、DCの申請書を2012年頃にNRCに提出し、17年以降に着工。20年頃に初号機の完成を目指すことになっている。


お問い合わせは、情報・コミュニケーション部(03-6812-7103)まで