ホライズン社 英国の新設計画でコンサル契約

英国で新規原子炉の建設を計画しているホライズン・ニュークリア社は16日、同国のエンジニアリング技術コンサルティング会社であるフレイザー・ナッシュ社と、原子力規制と認可申請に関するサービス業務で契約を締結した。

ホライズン社はドイツのRWE社とE・ON社が出資金を折半して英国に設立した合弁事業体。既存ガス炉が稼働中のウィルファ(=写真)とオールドベリーの2サイトそれぞれで隣接区画を購入しており、2025年までに新たに600万kWの原子力発電設備を建設する考えだ。今回の契約により、フレイザー社は今年から5年間の枠組みで、これら2サイトに関するホライズン社の認可申請を支援する。

〈新政権による原子力新設計画の進行状況〉

オールドベリーとウィルファの2サイトは英国政府が2009年11月に公表した「原子力に関する国家政策声明書(NPS)案」の中で、新規原子炉建設に適したサイトとして、他の八候補地とともに明記されている。同NPS案は今年2月末に公開諮問を終えており、議会による批准審査を受けた後に、政府とは独立の特殊法人である「基盤施設計画委員会(IPC)」が審査・決定することになっていた。

しかし、今年5月に発足した保守党と自由民主党の連立政権は6月末、IPCを廃止し、これに代わり閣僚らが参加する新たなインフラ計画審査システムを設置すると発表。また、今月15日にはエネルギー担当閣外相が「NPS案を改訂し、今秋改めて公開諮問を実施する」との方針を明らかにした。

政府は、IPCと同様に迅速で信頼できる計画決定システムの構築を約束。NPS案の再公開諮問についても、「計画の推進で投資家達が必要とする確実性を一層強固なものとするため」と説明している。具体的には、プロジェクトが及ぼす環境・社会的および経済的な影響など、持続可能性のさらなる評価(AOS)を実施し、合理的な選択肢との比較をNPS案に盛り込むことになる。

エネルギー相は「2018年に新たな原子炉の最初の1基を運開させるという計画に変更はない」と強調しているものの、議会による最終NPS案の審査は来年春に持ち越されることになり、当初計画からの遅れは避けられないとの見方が有力だ。


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