もんじゅ 炉心確認試験を終了 次は40%出力試験へ

高速増殖原型炉「もんじゅ」は22日、性能試験の第1段階となる計20項目の炉心確認試験を終了した。5月6日に14年半ぶりに運転を再開し、同8日に臨界到達後、最大約0.7%まで出力を上昇。約2か月半の試験期間中で6回の中間評価を行い、結果を公表しながら、万全を期して進められた。

炉心確認試験時の運転体制は、各当直班8名以上で構成し、そのうちの中・上級運転員は、この間に全員が制御棒操作を経験したほか、様々な警報発報に対応するなど、運転管理実績を積んだ。

試験期間中に発生した不具合32件はいずれも、原子炉施設の安全確保の観点から問題となる事象ではなく、水平展開、直接的処置、原因究明を図り、今後の保守管理に反映させる。

試運転再開後、天候の変化などにより多くの警報発報が発生し、関係機関への通報・公表を行ってきたが、原子炉施設の安全確保、プラント運用に影響しない設備・機器の不具合については、定例プレス日報で公表するなど、適正化を図った。

プルトニウム崩壊によるアメリシウムを多く含む炉心の安全性確認や炉物理データについては、臨界となる制御棒位置の変化から、時間とともに減少する炉心反応度を分析し、基本特性に係わる有用なデータを取得するなど、着実に成果を得た。

今後は、11年度に予定する40%出力プラント確認試験に向け、これまでの経験を反映した運転管理・保守管理を実施していくとともに、燃料交換、水・蒸気系設備の機能確認試験等、準備を進めていく。

今回の試験終了を受け、原子力機構・岡ア俊雄理事長は、「引き続き『もんじゅ』の安全確保を最優先に、より一層透明性を高めた業務運営に取り組んでいく」との談話を発表した。


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