福島第一3号 プルサーマル実施へ 県「適切に対応と判断」佐藤雄平・福島県知事は6日、東京電力福島第一原子力発電所3号機のプルサーマル実施を受け入れる考えを表明した。これを受け、同社は、現在実施中の3号機定期検査で実施する燃料集合体取替で、MOX燃料を装荷し、9月下旬にもプルサーマル発電を開始する見込み。99年に国の許可を得たものの、地元了解がネックとなって中断されていた同機プルサーマル計画は11年ぶりに動き出すこととなった。 佐藤知事は今年2月、福島第一3号機プルサーマル実施に当たり、耐震安全性、高経年化対策、長期保管後のMOX燃料健全性の確認を、「3つの技術的条件」として求めた。 MOX燃料は、燃料プールで10年以上にわたり保管されているが、東京電力では、水中カメラやファイバースコープ等により、健全性を確認、耐震安全性、高経年化対策についても評価を実施し、プルサーマル実施に際して問題となる事項はないと結論付けた。さらに原子力安全・保安院も7月末までに、現地立入検査などを通じ、同社の評価結果を妥当と判断した。 一方、県は東京電力と国から、「3つの技術的条件」の評価結果を受け、専門家会合で審議を行い、「適切に対応したものと判断」との見解に至り、県として最終的に了解することとなった。 プルサーマル実施に当たり佐藤知事は、98年の事前了解時に求めた「MOX燃料の品質管理」、「MOX燃料取り扱い作業従事者の被ばく低減」、「使用済みMOX燃料対策の長期的展望の早期明確化」、「核燃料サイクルに対する国民理解の推進」の4項目を再度強調した。さらに、これらに加えて、県民の安全・安心確保の観点から、(1)耐震安全性確保・高経年化対策の実施に当たっては最新の知見を適切に反映(2)運転・保守管理技術のノウハウ等を確実に継承・発展させ人材・組織の技術レベルの維持向上(3)MOX燃料使用に際しては安全監視状況について県民に対して適時・適切な情報提供――を国、電力に対し求めた。 3号機は6月より定期検査を行っており、今後、燃料取替作業に入り、MOX燃料32体を21日にも装荷する。 |
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