中国の原子炉建設計画 寧徳、咸寧、秦山で進展

中国の新規原子力発電所プロジェクトが各地で目覚ましい進展を見せている。

〈福建省寧徳発電所〉

まず、08年11月から福建省で始まった寧徳原子力発電所2号機(108.7万kW)の建設計画で、8日に原子炉建屋のドーム屋根が設置された。これにより、同炉の建設も土木工事段階のピークを迎えた。

同サイトでは仏国の技術をベースに国産化を進めているPWR(CPR1000)を2基建設中。1、2号機の初臨界はそれぞれ、2012年と13年に予定されている。

〈湖北省咸寧発電所〉

7日には中国第一重型機械集団公司(CFHI)が、内陸部初のAP1000建設サイトとなる湖北省咸寧原子力発電所用に圧力容器の鍛造を4日に開始したと発表した。

CFHIは重機械の鍛造や構成機器製造を専門とする企業。国家発展改革委員会から100万kW級PWRの機器メーカーに指定され、ウェスチングハウス(WH)社や韓国・斗山重工からの技術移転を受けて、中国のAP1000用機器製造に力を入れているという。

咸寧発電所計画については今年2月、国営新華社を含む複数の中国メディアが、江西省の彭澤計画および湖南省の桃花江計画とともにWH社製AP1000の採用が決定し、初期設計を実施すると報じていた。圧力容器の鍛造開始は中国広東核電集団有限公司(CGNPC)も10日付けで公表していることから、今後、第3世代炉の技術開発専門機関である中国国家核電技術公司(SNPTC)が中心となって計画を進めていくと見られている。

〈浙江省秦山発電所〉

なお、浙江省では、秦山原子力発電所二期工事の3号機が1日付けで中国東部の送電網に接続された。これは中国核工業集団公司が発表したもので、すでに7月13日に初臨界を達成していた。同炉は中国が自主開発した60万kW級PWRであるCNP600で、来年にも定格出力で営業運転を開始する。


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