カザフスタンのウラン生産量 上半期に前年比42%増

カザフスタンの国営資源企業であるカザトムプロム社は9日、今年6月末までの上半期のウラン生産量が前年同期比42%増の8452トンとなったことを明らかにした。下半期の改訂計画ではさらに9770トンを生産するとしており、今年の年間生産量は合計1万8222トンに達する見通しだ。

同国は昨年実績(速報値で1万3900トン)で初めて、カナダを抜いて世界第1位となった。ウラン市場調査会社のUXCによると、同国はウラン精鉱(U)換算の生産量でも10年前に年間500万ポンド以下だったのが現在は4000万ポンドを超えるなど、前例のないペースで事業規模を拡大中。今年は年末までに世界の3分の1以上生産することが目標と伝えているが、市場価格への影響も大きいため、拡大路線をどこまで継続していくかは未知数だ。

カザフでは上半期に、新たに次のような施設が稼働を開始した。すなわち、カメコ社との合弁事業であるインカイJVの産業コンビナートや、ウラニウム・ワン社との合弁事業であるカラタウJVの原位置抽出法パイロット生産施設など。このような背景による生産量拡大で、同社の収益は前年同期から58%アップし、1056億8700万テンゲ(約615億円)に到達した。純益も前年度から64%増の194億1400万テンゲ(約113億円)に拡大したとしている。

上半期はまた、ウルバ冶金工場(UMP)で再転換した二酸化ウラン粉末を、日本の原子燃料工業が正式に認証。これは07年に両社が住友商事とともに調印した協力意向確認書に基づくもので、これによりUMPの技術能力が確認された。

今年3月には日本とカザフスタンの政府が原子力協力協定を締結し、発効待ちの段階にあることから、UMPは今後、日本の原発用燃料集合体の実質的な製造に向けてプロジェクトを開始する。


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