アルメニア、新規炉建設計画で 露と協力協定に調印

ロシアの原子力総合企業であるロスアトム社は8月20日、アルメニアの新たな原子力発電所建設計画でロシアが協力するため、二国間協定に調印したと発表した。

これはロシアのD.メドベージェフ大統領がアルメニアを公式訪問した際、両国間のその他の協力文書とともに結ばれたもの。署名はロスアトム社のS.キリエンコ総裁とアルメニア・エネルギー・天然資源省のA.モブシッシャン大臣が行った。

この協定により、ロシアはアルメニアに運転寿命60年の100万kW級PWRであるVVER1000(1基以上)と新燃料を供給する。両国の合弁事業体として設立される「ZAOメザモールエネルゴアトム社」は、総合請負業者となるロスアトム社傘下のアトムストロイエクスポルト(ASE)社とともに発電所を建設。同発電所を所有・運転することになる。

キリエンコ総裁の説明によると、ロシア側は同発電所建設費の20%以上を出資。ZAO社としては少なくとも40%の建設費を保証し、残りの60%は外部から投資を募る。また、アルメニア側は新原発の発電電力をZAO社から20年にわたって購入し、ロシア側の投資額を返却するのが条件だ。ロシアは同様の「建設・所有・運転」方式をトルコのアックユ原子力発電所建設計画でも適用しており、今後もこの方式で国外の建設計画で資金調達を支援しつつ、市場を拡大していく方針と見られている。

アルメニアではかつて、メザモール原子力発電所で出力40.8万kWのVVER440が2基稼働していたが、1988年の大地震の影響で、翌年、両機とも閉鎖された。その後、95年に2号機のみが運転を再開し、同国の総電力需要の45%を賄っている。同炉が2016年に閉鎖予定であることから、代替電源の確保が必要となっている。


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