原子力円卓会議 委員選定公正に 大綱根本的な見直しを飯田哲也氏(環境エネルギー政策研究所)、澤田哲生氏(東京工業大学)らが世話人となっている「原子力政策円卓会議2010」は16日、「原子力政策大綱の見直しの必要性」に関する提言書を取りまとめて公表した。「立場を越えて議論した結果、国内外に相当の変化があったので、見直すべき。根本的に見直すべき所が多い」とした。 同円卓会議には、両氏のほか長崎晋也氏(東京大学)、吉岡斉氏(九州大学)を加えた世話人のほか、5月から5回の会議で政治家、官僚、研究者、弁護士、作家、ジャーナリストら約30名が参加した。 提言は議論をもとに世話人4人の責任で取りまとめたもので、「事実と理論に基づいた合理的議論に徹し、お互いの立場を尊重、一方的な推進、一方的な反対にはならないように努めた」と述べている。 提言では、見直しを行うべき以下の9領域を挙げ、必要性を強調している。 (1)政治主導のガバナンス確立と行政組織の抜本的見直し(2)地域主権時代の政府と自治体との関係(3)熟議民主主義の時代に沿った意思決定プロセスの見直し(4)政策議論の実質化(5)柔軟かつオープンな事業・政策評価への見直し(6)実質的に機能し信頼される安全規制への見直し(7)創造的な人材養成の必要性(8)国際関係の視点からの原子力政策の再評価(9)原子力政策とメディアとの関係性の再考。 特に、大綱策定会議の組織のあり方、審議の進め方では、(1)公正な委員・事務局構成=原子力に対する大枠的な立場の分布について、バランスをとるべき。NGOメンバーの積極的起用、海外専門家も(2)議題セッティング会議の必要性=何を議題とするかを、委員自身が協議して決める(3)合理的・建設的な討議の場の創出=客観的事実と堅実な論理を踏まえた「根拠」に基づく政策論議の実現(4)開かれた国民参加型討議の場の創出=国民意見との相互作用のための、多様かつリアルタイムの仕組みの構築(5)政策評価レビュー(PDCA)=原子力委員会の外部に、第三者委員会を設置し、政策評価を実施してもらう(自己点検評価だけでは不十分。ただし今回の改訂前に実施すべきかどうかは、議論が分かれるかもしれない)――としている。 この提言は、18日東京で開催した原子力委員会主催の大綱見直しの必要性についてのご意見を聴く会でも発表された。 |
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