スウェーデンで総選挙 現政権が過半数割れ

スウェーデンでは19日、議会議員の任期満了に伴う総選挙が行われ、2006年の前回選挙で政権を取った中道右派連合・4党が172議席を獲得。総議席数の過半数には3議席届かなかったが、現政権の継続が確定した。しかし、F.ラインフェルト首相は今後の政権運営の中で、野党政党のいずれかと協力体制を組まざるを得なくなり、6月に可決した脱原子力政策撤回法案の行く末にも影響が懸念される状況だ。

今回の選挙で、ラインフェルト首相率いる穏健党の議席数は10議席増えて107議席となった。一方、スウェーデンで長年政権を握ってきた社会民主労働党は17議席減の113議席となり、議会第一党の地位は維持したものの敗北を認めた。しかし、穏健党以外の与党3党は軒並み議席数を減らしており、代わりに躍進したのが緑の党(6議席増の25議席)。また、極右の小政党であるスウェーデン民主党(SD)が今回初めて20議席を獲得し、国政に参加することになった。

SDは原子力推進派だが、イスラム系移民の排斥を主張していることから、右派・左派ともに同党との協力はきっぱりと否定。ラインフェルト首相は投票日の夜、緑の党に協力要請のための交渉を打診したというが、この考えには緑の党側も、支援有権者への立場から懐疑的だと伝えられている。現政権が仮に、緑の党と協力することになれば、脱原子力撤回法どおりに既存炉10基が建て替えられる可能性は確実に狭められることになる。


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