米サバンナリバー 小型モジュール炉建設で覚書

米国のサバンナ・リバー国立研究所は10日、米エネルギー省(DOE)がサウスカロライナ州で所有するサバンナ・リバー原子力サイトに、ハイペリオン・パワー・ジェネレーション(HPG)社が開発した小型原子炉を設置するため、両者が了解覚書(MOU)に調印したと発表した。

「ハイペリオン・パワー・モジュール(HPM)」と呼称されるこの小型炉は直径1.5メートル、高さ2.5メートルの円筒形。冷却材として鉛ビスマスを、燃料にはウラン235濃縮度20%以下の三水素化ウランを使って2.5万kWの発電が可能だ。8〜10年間、燃料交換なしで稼働した後は、モジュールごとにハイペリオン社の工場で燃料交換を行えるため、核不拡散上のリスクも少ないという。

HPMの他にも、東芝の次世代超小型原子炉システム(4S炉)といった小型炉は、かねてより離島や遠隔地での石油・ガス開発、村落、軍事施設などでの利用が検討されている。サバンナ・リバー研のHPM計画では、10年以内にHPMを設置。近隣のエーキン町を手始めに、世界中の小さな村落にも手軽に電力と浄化水の供給が可能になると強調している。

ハイペリオン社は米国ロスアラモス国立研究所の元研究者らを擁する企業。HPMの設計認証(DC)を得るため、すでに米原子力規制委員会(NRC)と予備協議を実施しており、2011年頃を目処にDCの申請書を提出する計画だ。


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