独政府、原発延長を閣議決定 新エネルギー計画 野党は徹底抗戦の構え

A.メルケル首相が率いるドイツ政府は28日、国内で稼働する原子炉17基の運転年数を平均12年間延長することを盛り込んだエネルギー計画を閣議決定した。

同計画を有効とするには法改正のための議会審議が必要で、同政権は連立与党が過半数を占める連邦議会(下院)のみで審議・決定する考え。しかし社会民主党(SPD)など野党は、16州政府の代表で構成される連邦参議院(上院)に関係法案が諮られなかった場合、憲法裁判所に提訴するとしており、原子炉の運転延長実現には時間がかかることも予想されている。

「エネルギー・コンセプト2050」と題された新しいエネルギー環境計画に関する説明の中で、同政府は原子力をあくまでも「再生可能エネルギーの時代が来るまでの橋渡し電源」と強調。1980年までに運開した古い原子炉の運転寿命を8年間、それ以降に運開した原子炉の寿命を14年間延長すれば、それによって生み出される利益を核燃料税として徴収(2016年まで、年間23億ユーロ)し、再生可能エネルギーの研究開発に当てられるとしている。

すなわち、原子力は中期的なエネルギー供給を保証すると同時に、再生可能エネルギーの大規模活用に必要な基盤作りに貢献する存在。これら2つは相反する存在というより、1つのコインの両側のようなものだと強調した。


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