経産省課長 日中記者懇で講演部材輸出の可能性も

三又裕生・経済産業省原子力政策課長は22日、東京・平河町の都道府県会館で開かれた日中記者懇話会で、「原子力発電をめぐる動向と日本の政策」について講演した。日中記者懇話会で原子力関係の講演が行われるのは初めて。

三又課長は、1年前の自民党から民主党を中心とする連立政権への政権交代にもかかわらず、「原子力政策は一貫して変わっていない」と強調、原子力発電の占める割合は、現在の約3割から、2020年に約4割、30年には約5割にまで高める計画を説明した。原子力発電所の稼働率も現状は約65%と低迷しているものの、自然災害による影響を除外すれば約78%であり、98年度の過去最高値約85%には及ばないものの、かなり改善されてきていることを示した。

国際協力について三又課長は、特に中国について「中国は市場規模としては最大の成長ポテンシャル。しかしながら中国政府は、段階的国産化を志向している」ため、「今後、我が国がプラント全体の受注を獲得する可能性は低いのではないか」と述べる一方、「部材輸出だけでも相当規模の市場が存在し、部材レベルの競争力向上がカギとなる」と強調した。また、「中国内陸部では、耐震性の考慮が必要となるのではないか。日本の出番があるかも知れない」とも指摘した。

同課長は、将来的には中国企業が第三国市場での有力な競争相手となる可能性も指摘した。


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