INSAFが東海村で総会 安全の重要性を再認識

世界核燃料安全ネットワーク(INSAF)は8日、設立10周年の総会を茨城県東海村で開催し、10か国の15企業から参加した約50名の会員が世界の核燃料事業者における安全に関する事例や経験を共有した。

1999年のJCO臨界事故を契機に設立されたINSAFは、2000年の東京を皮切りに毎年世界各地で総会を開催。インターネットを介して安全の重要性に関する認識の保持および向上のために情報交換を行っている。同事故の発生地で開かれた今回の総会では、議長として三菱マテリアルの秋元勇巳名誉顧問を選出したのに続き、東海村の村上達也村長が来賓として挨拶した。

同村長は同事故の災害の大きさについて改めて回顧するとともに、同地でINSAFの設立10周年総会が開催されたことを歓迎。JCOのような事故を二度と起こさないよう総会の成功とINSAFの更なる発展を祈念したほか、東海村がJ―PARCの施設と研究者を原動力に世界的な原子力センターを目指していることを説明した。次に、国際原子力機関(IAEA)の天野之弥事務局長からのビデオ・メッセージが紹介され、INSAFの10年間にわたる功績を讃えるとともに、環境に影響を及ぼさない原子力の重要性を強調。INSAFもIAEAも原子力安全の確立のために、良好事例と健全な安全文化の向上という目的を共有しており、INSAFの協力があればIAEAも専門家の派遣等を歓迎するとの意向を伝えた。

開会挨拶後は、各参加企業が「安全管理」、「安全文化の増進」、「統合安全解析」、「放射線管理」、「安全規制対応」、「ヒューマンファクターを含むマネジメント・システムの運営」などについて発表。これらに関する意見交換が行われた。

翌9日には「核燃料加工と安全に関するセミナー」が開催され、IAEAの前事務局次長(原子力安全・セキュリティ局担当)の谷口富裕氏、JCO事故当時に原子力安全委員会委員長代理だった住田健二氏が講演。原子力開発機構の大強度陽子加速器施設J―PARCと原子力科学館内にあるJCO事故展示の見学ツアーも実施した。

次回の総会はフランスで開催される予定だ。


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