米エンタジー社 V.ヤンキー炉の売却を検討

米国のエンタジー社は4日、バーモント・ヤンキー原子力発電所(BWR、65万kW)の売却を検討していると発表した。

同社は1972年に運開した同炉を2002年にバーモント・ヤンキー原子力発電会社から購入。12年3月に現在の40年の運転認可が期限切れとなることから、さらに20年の運転延長認可を米原子力規制委員会から取得する手続き、および地元電力会社との長期的な電力購入交渉も継続中だとしている。

また、売却理由は単純に株主の利益を考慮したためと説明し、現在の従業員の雇用継続も保証する方針だと明言した。

しかし、同炉では2007年に冷却塔が倒壊したほか、今年1月には配管からトリチウム漏れが検出されるなど、州民の心象が悪化。翌2月には州議会上院が「ヤンキー炉の運転認可延長は認めない」との票決を下していた。今月2日の中間選挙で州議会議員が入れ替わったものの、2月の票決を認可延長非承認に導いたP.シュムリン上院議長は新たに同州知事に選出されている。

エンタジー社はその2日後に売却提案を公表しており、同社が現状下での認可延長を断念したと見る向きが大勢だ。同炉の引き取り手が現れるかどうかは微妙な状況だ。


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