北朝鮮・寧辺 遠心濃縮工場を米研究者に公開

北朝鮮を訪問したヘッカー・元米ロスアラモス国立研究所長は20日、スタンフォード大学のホームページで報告書を発表した。同月12日にウラン低濃縮施設を訪問し、近代的な設備に驚愕したと述べられている。

報告によると、展望室からは整然と並んだ直径約20cm×高さ180cm程の遠心分離機が1000基以上見えたとしている。分離機は工場内に2000基あり、2009年4月より設置して数日前に完成し、現在稼働中との説明を北朝鮮側から受けたという。

パキスタンが開発した型の分離機かとの問いに対し、北朝鮮側は否定し、オランダのアルメロや青森県六ヶ所村のウラン濃縮工場の分離機をモデルにして国内で生産したと回答。施設内でウラン濃縮をしていることを認め、平均3.5%の低濃縮ウラン製造が可能であること、建設中の実験用軽水炉(電気出力2万5000〜3万kW)は2.2〜4%の低濃縮ウランを使用する設計になっていることなどを説明した。

北朝鮮側の主張通りであれば、この施設の濃縮能力は年間最大2トンの低濃縮ウラン、または最大40kgの高濃縮ウランが製造可能だと、ヘッカー所長は分析する。

同所長は、同施設レベルまたはそれ以上の能力を持つ高濃縮ウラン製造施設が別の場所にもあることが懸念されるともしている。


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