原子力大綱策定に着手 原子力委が決定、近藤議長 人材、国際展開など課題

原子力委員会は11月30日、新たに原子力政策大綱を策定することを決定した(=写真)。現行の大綱は05年の策定から約5年を迎えており、同委員会は7月より有識者との意見交換、原子力施設立地地域および電力消費地での「大綱の見直しの必要性についてご意見を聴く会」、国民からの意見募集を行ってきた。これらの意見や国内外の情勢、06年より実施してきた政策評価の結果などから、これから約1年かけて新たな大綱の策定を目指すとした。国際化にともなう人材育成や海外受注、さらに原子力安全、核不拡散、核セキュリティへの取り組みなどについての議論を深めていく方針だ。

大綱策定の検討にあたっては、原子力委員会委員を含む26人から成る「新大綱策定会議」を設置した。近藤駿介・原子力委員会委員長が議長を務める。委員は、専門分野や原子力を巡る意見の多様性の確保などに配慮して選定した。必要に応じ、原子力委員会が小委員会等の設置および構成員を決める。議事は原則公開し、議事録も会議終了後、原子力委員会ホームページ等で速やかに公開する。また、意見募集やご意見を聴く会の開催などにより広く国民の意見を聴取して、調査審議に反映させる。

新大綱策定会議の構成員は、原子力委員および次のとおり。

青山繁晴・独立総合研究所代表取締役社長兼首席研究員、浅岡美恵・特定非営利活動法人気候ネットワーク代表、阿南久・全国消費者団体連絡会事務局長、五十嵐安治・日本電機工業会原子力政策委員会委員長/東芝執行役上席常務、大橋弘忠・東京大学大学院工学系研究科教授、河瀬一治・全国原子力発電所所在市町村協議会会長/敦賀市長、清水正孝・電気事業連合会会長/東京電力取締役社長、鈴木篤之・日本原子力研究開発機構理事長、田中明彦・東京大学大学院情報学環・東洋文化研究所教授、田中知・東京大学大学院工学系研究科教授、谷本正憲・原子力発電関係団体協議会会長/石川県知事、知野恵子・読売新聞東京本社編集委員、中西友子・東京大学大学院農学生命科学研究科教授、南雲弘行・日本労働組合総連合会事務局長、伴英幸・特定非営利活動法人原子力資料情報室共同代表、増田寛也・野村総合研究所顧問、又吉由香モルガン・スタンレーMUFG証券ヴァイスプレジデント、松村敏弘・東京大学社会科学研究所教授、水野順子・日本貿易振興機構アジア経済研究所新領域研究センター長、山地憲治・地球環境産業技術研究機構理事・研究所長、山名元・京都大学原子炉実験所教授。(以上21名と原子力委員5名)


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