フィンランドのフェンノボイマ社 アレバ・東芝と準備協定 新設計画で2012年までに競争入札

フィンランドで新規原子力発電所の建設を計画しているフェンノボイマ社は12月20日、仏アレバ社と欧州加圧水型炉(EPR)について、また東芝とはABWRに関する技術開発(先行エンジニアリング)協定を結んだ。

両設計がフィンランドの安全要求項目およびフェンノボイマ社の技術要求項目を満たしていることを保証したもので、同社は今後、同協定に基づいて原発建設許可申請に向けた準備作業などを実施。2012年に両設計のどちらを選定するか決定するため、競争入札の準備を進める。

フェンノボイマ社は2007年に設立された電力コンソーシアムで、同国北部に最大180万kWの原子力発電設備を建設するため、2009年1月に政府の原則決定(DIP)を申請。総工費40億〜60億ユーロで出力170万kWのアレバ社製欧州加圧水型炉(EPR)を1基、もしくは160万kWの東芝製ABWR1基を、2020年までに中西部のピュハヨキかその北部のシモで建設する計画だ。

同国ではこのほか、テオリスーデン・ボイマ社(TVO)とフォータム社もそれぞれ、新規原子力発電所建設計画のDIPを政府に申請していたが、フィンランド議会は昨年7月、3社のうちフェンノボイマ社とTVOについてのみ、DIPを承認。両社は5年以内に建設許可を政府に申請することになった。

フェンノボイマ社は昨年春と夏、環境省から2か所の建設候補地について原発建設サイトとしての承認を得たことから、今年前半にもどちらか一方を最終決定する。

天然資源に乏しいフィンランドには燃料輸入に長く依存してきたという事情があり、2002年にはチェルノブイリ事故以来、欧州では初めて新規原子炉の建設を決定。TVOによるオルキルオト3号機(EPR)建設計画は昨年6月に圧力容器等の設置を終えるなど佳境に入っている。


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