仏アルストム社 露企業と覚書 露にタービン製造施設

仏国の大手タービン機器製造業者であるアルストム社は先月、ロシアの複数企業との協力強化のため、了解覚書(MOU)に調印した。

日本に次いで世界第4位の原子力開発規模を持つロシアでは、計画に従って着々と原子炉を新設しているのに加え、高経年化した既存炉の改修計画も複数存在することから、同社が誇る原子力用低速タービン「アラベル」を始めとする関連機器製造でロシアの発電市場でのプレゼンスを一層拡大していく方針だ。

アルストム社はロシアでは2007年に初めて、発電機器製造企業のアトムエネルゴマッシュ(AEM)社と合弁で、原子力発電所向け蒸気タービン機器製造を専門とするAAEM社を設立。今回、AEM社と結んだ新たな覚書により、AAEM社はアラベルおよび火力発電所用の大型蒸気タービン製造のための地元施設を建設する。同社はまた、高経年化した原子力発電所には特に重要な機器である緊急用ディーゼル機器も製造していくことになった。

もう1つの覚書は、AAEM社とRAO・ウォーリーパーソン(IRWP)社の間で結ばれており、ロシア型PWR(VVER)に特化したタービン発電機設備を共同で設計・製造するJVを設立するというもの。1つの原子力発電所にAAEM社が主要機器を納入する一方、IRWPがタービン・ホールを設計建設するなど、いわゆるタービン発電機パッケージでの納入協力となる。


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