中東湾岸諸国、原子力導入に向け 米企業とコンサル契約

米国の大手原子力コンサルティング企業であるライトブリッジ社はこのほど、米国最大の原子力事業者で同社のパートナー企業でもあるエクセロン社とともに、中東の湾岸アラブ諸国協力会議(GCC)と原子力の平和利用に関するコンサルティング契約を結んだ。

2006年12月にGCCの6か国が原子力導入の意志表明をして以降、アラブ首長国連邦(UAE)はわずか3年で原子炉の発注まで計画を具体化した。しかし、その他の5か国では、サウジアラビアが昨年6月にコンサルティング企業と契約したほか、クウェートとカタールがロシアと二国間協力に関する覚書を結んだ段階。UAEも含めたすべてのGCC加盟国が新規導入国であることから、同地域における原子力発電開発基準の青写真策定を目標に、各国の利益とニーズを調整する予備的な調査の実施やコンサルティングを依頼したと見られている。

ライトブリッジ社はUAEのドバイやモスクワ、ロンドンに支部を置き、様々な国の政府機関や企業に対する包括的なコンサルティングのほか、先進的な原子燃料の設計なども手がけている。

2011年第2四半期まで6か月間という今回の契約では、民生用原子力発電所による発電および海水脱塩利用について、GCCの加盟各国が原子力開発利用ロード・マップや長期的な計画およびその実施戦略の策定を支援する。

具体的には、(1)法的な課題と義務(2)規制(3)サイト評価(4)人材育成と研究開発、安全文化と人的資源の構築(5)燃料の供給確保と保障(6)廃棄物管理(7)緊急時対策――の7分野について、加盟国が原子力開発利用計画を進める際、協力可能なオプションを特定・評価するため、複数の調査を実施する。

このように、ライトブリッジ社がプロジェクト全体の一般統合的および集合価値的な評価を扱う一方、全米の10サイトで17基の原子炉を運転するエクセロン社は、原子力事業者としての追加的な専門知識を提供。これらのうち(4)、(5)、(7)の3項目について、調査を実施するとしている。


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