特別枠も減額確保 首相 予算の迅速な成立に意欲

政府は12月24日、11年度予算案を閣議決定した。一般会計歳出総額92兆円、「元気な日本復活特別枠」では2.1兆円を確保。菅直人総理大臣は正月4日の年頭記者会見で、来る通常国会での審議に向け、「迅速に成立をさせ国民生活にプラスになるように」などと意欲を示した。

文部科学省の科学技術分野の11年度予算案は、対10年度比3.3%増の1兆683億円、そのうち、原子力関連は同3.6%減の2115億円となった。主要事項では、高速増殖炉サイクル技術が同4.5%減の402億円、ITER計画が15.2%増の114億円、地層処分技術研究開発が同3.8%増の82億円、核不拡散・保障措置イニシアティブが同23.5%増の42億円など。核不拡散・保障措置イニシアティブでは、新規に核セキュリティの取組強化として12億円を計上、「核不拡散・核セキュリティ総合支援センター」を通じた人材育成や、核鑑識の技術開発を推進する。

経済産業省の資源・エネルギー関連の予算案は、エネルギー対策特別会計が同6.0%増の7356億円、一般会計が同29.3%減の128億円。原子力関連は、同3.5%増の1816億円で、そのうち、次世代炉等の技術開発が同10.5%増の21億円、電源立地地域対策交付金が同1.2%増の1110億円、高速増殖炉サイクル技術開発が同32.1%増の74億円、六ヶ所再処理工場の新型ガラス溶融炉開発が同27.8%増の23億円など。

原子力安全・保安院では、同2.8%減の316億円を計上、うち原子力安全関係は283億円となっている。

「特別枠」では、文科省の「わが国の強みを活かした日本発『人材・技術』の世界展開」で、要望額448億円のうち、11年度予算として、295億円が確保された。


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