WH社の対中協力 AP1000用 燃料製造機器を供給へ

ウェスチングハウス(WH)社は18日、中国核工業集団公司(CNNC)傘下の包頭核燃料会社(CBNF)に対してAP1000用核燃料の製造機器を供給する契約を結んだ。

中国では現在、三門と海陽の両原子力発電所でWH社製AP1000を各2基建設中だが、建設契約で保証されている分以外の燃料を製造するため、CNNCは内モンゴル自治区の包頭で2015年の生産開始を目指して専用燃料の生産ラインの建設を進めている。今回の契約によりWH社は、本拠地のあるペンシルベニア州など同社の供給業者が米国内の6州で設計製造した燃料製造機器を同ラインに設置。契約総額は3500万ドルとなっている。

また、WH社は同日、08年に中国国家核電技術公司(SNPTC)と結んだAP1000技術開発・戦略投資・サービス契約を2年延長した。CNNCが一部出資するSNTPCはAP1000を始めとする第3世代原子炉技術の習得や関連機器の国内製造を目的に設立された企業。AP1000設計をベースに国産化・大型化したCAP1400の開発を急いでいることから、WH社からの継続的な支援を必要としている。

中国での核燃料製造に関しては、WH社は昨年4月にもジルコニウム・スポンジの製造で、SNPTCが出資する国家宝鶏チタン工業有限公司(SNZ)と合弁会社の設立契約を締結。江蘇省南通市で燃料集合体の部材を生産することになっている。

なお、CNNCは昨年11月、ジルコニウム管の製造販売会社を仏アレバ社と折半で設立することを決定しており、上海に本拠を置く「CNNCアレバ上海製管(CAST)」は12年に事業を開始する計画。原子力開発利用計画において核燃料サイクルの確立を目指す中国は、設備容量の拡大に伴い、燃料の供給についても自国内で賄える体制を整えつつある。


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