仏アレバ社の増資計画 剰余額9.35億ユーロに

仏アレバ社は1月25日、優先株式の販売で総額3500万ユーロの増資に成功したと発表した。昨年末にクウェート投資庁(KIA)と仏国政府から合計9億ユーロの出資を取り付けたのに続き、1月3日〜14日までの間、一般投資家から無議決権・優先株の購入申し込みを受け付けていた。

同優先株は解約不可で、申し込み総数は108万5535株。申し込み率は当初予定の91.15%におよんだ。これにより、同社の全株式の4%という一般投資家の株保有率が維持されるとともに、同社の累積剰余額は9億3500万ユーロに到達。同優先株の決済と配送、および証券取引市場への上場は1月27日付けとなっている。

アレバ社は次世代原子炉の開発や世界の原子力市場での競争力増強のため、また、フィンランドのオルキルオト3号機(EPR)建設工事遅延による経費超過やアレバNP社との合弁を解消した独シーメンス社の持分34%の引取り経費に当てるため、今回、15億〜30億ユーロの増資を計画。クウェートやカタールなど中東の政府系ファンドや、第3世代の中型原子炉・ATMEA1の開発で提携している三菱重工業などと交渉を重ねていたという。

最終的に昨年末、KIAがアレバ・グループ資本全体の4.8%にあたる6億ユーロの株式取得に合意したほか、仏国政府が3億ユーロを申し出て、約8%だった保有率を10.1%に引き上げた。カタールの政府系ファンドや三菱重工とは出資条件が折り合わなかったほか、フランス電力(EDF)からの増資提案は見送ったと見られている。

今回の合計増資額が目標額に達しなかったこともあり、アレバ社は今後の財政状況により、三菱重工等と再び増資協議を行う可能性もあると伝えられている。


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