安全委の審査にパス AECLの第3世代プラス炉

カナダ原子力公社(AECL)は1月28日、同社が開発した第3世代プラスの重水炉設計であるACR1000が、カナダ原子力安全委員会(CNSC)による3段階の許認可申請前・設計審査を成功裏に終えたと発表した。

同設計は運転寿命60年を想定した出力120万kWの重水炉で、AECLがこれまで世界の原子力市場に提供してきた70万〜90万kWのCANDU炉に、受動的安全性や競争力のある経済性を目指して改良を加えたもの。2008年には、英国の新規原子炉建設計画における候補設計の1つとして、ウェスチングハウス社のAP1000や仏アレバ社のEPRとともに英国政府の包括的設計審査(GDA)を受けていた。

しかし、CNSCの申請前審査に人手が必要になったことや、英国で第1候補に残る可能性が少なくなったと判断して、GDAから撤退。現在でもカナダ原子力市場での建設販売を第1の目標としている。

CNSCの審査は、(1)カナダの規制要項に対する準拠性(2)カナダで認可する際の根本的な障害の特定(3)第1、第2段階で指摘された特定項目のフォローアップ――の3段階で構成されており、メーカーの要請に応じて任意に提供されるハイレベルな評価審査サービスという位置付け。カナダの原子力安全管理法に基づく認可の発給や認可プロセスとは無関係だ。

3段階の審査すべてを終えた結論としてCNSCは、「ACR1000設計はカナダの最新型原子炉に期待される規制上の要件数値をすべて満たしており、認可を与える際にも根本的な障害は見あたらない」と強調。第3段階でAECLがさらに詳細な評価を依頼した11項目についても、「炉心や燃料、緊急炉心冷却系などに見られる同設計の新たな特徴は、AECLが設計、研究開発・試験活動において十分な進歩を遂げていることを裏付けた」と評価している。


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