WH社、AP1000技術を元に 20万kWのSMRを開発

創業125周年を迎えたウェスチングハウス(WH)社は16日、新型原子炉開発における半世紀以上の経験の積み重ねにより、AP1000の技術をさらに進展させ、必要機器の点数を削減した出力20万kW級の一体型PWRである「小型モジュラー炉(SMR)」を開発したと発表した。

SMRは100万kW級の大型炉と比べて工期が短く建設価格も手頃。小規模の電気事業者にも手が届くとの観点から、米国ではバブコック&ウィルコックス社が出力12.5万kWの「mPower」炉を開発。WH社でも同様に、今後の世界的なSMR市場拡大を見込んでおり、SMRの開発を急いでいたもの。

米エネルギー省(DOE)のS.チュー長官も、温暖化防止対策の一環として就任当初から小型炉への関心を示しており、今月14日のDOEによる2012会計年度予算要求では小型炉開発経費として新たに9700万ドルを計上。このため、WH社としても一早く関係プログラムに参加する準備を整え、産業界を代表する政府の協力事業者となる考えだ。

SMRの特徴は、既存の確証済み技術のほかに高度な安全性確保のための静的安全システムを導入していること。また、@加圧器を圧力容器内に統合A水平に設置した軸流のモーター・ポンプで原子炉を冷却BAP1000用17×17型燃料集合体の高さを短くした炉心――などだ。


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