カナダ安全委 使用済みSGの輸送を認可カナダ原子力安全委員会(CNSC)はこのほど、使用済みの蒸気発生器(SG)(=写真)をリサイクル処理のためにスウェーデンまで輸送するというブルース・パワー(BP)社の申請に認可を発給した。 この申請はオンタリオ州でブルースA原子力発電所を操業するBP社が昨年4月に提出していたもので、申請当時は昨年秋の輸送を予定。同発電所サイトに貯蔵されているSG16台を陸路で最寄りの港まで運んだ後、運搬船で五大湖とセント・ローレンス水路を通過し、大西洋を渡ってスウェーデンに到達するという計画だ。 CNSCとBP社は昨年9月から11月にかけて関係地域で説明会や公聴会を開催したほか、輸送ルートの周辺環境やルート沿い住民の健康に対する影響等を審査。その結果、BP社の申請内容はカナダおよび国際原子力機関(IAEA)が定めた放射性物質のパッケージングと輸送に関する規制要求項目を満たしており、リスクは無視し得る程度だと結論付けている。 同計画では、カナダの環境保護派だけでなく五大湖に隣接する米国各州の議員も懸念を表明したが、CNSCは「SGの汚染レベルは非常に低く、放射能はSG内部に完全に閉じ込められている」と説明。BP社も「使用済みSGがリサイクルのためにスウェーデンに運ばれるのはこれが初回ではなく、欧州その他の世界各地で公衆や環境へのリスク無しに恒常的に行われている」とし、その安全性を強調した。 BP社によると、ブルースA発電所の改修工事で取り外されたSGは、スウェーデン・スタズビック社の技術により全体の90%に相当する金属の除染が可能。再鋳造してリサイクル鋼塊とすればスクラップ金属市場で売却することができる。 放射能の汚染度が高い残りの1割は後日、カナダに返送されるものの、低レベル放射性廃棄物に分類される使用済みSGの有効利用を図るとともに、長期貯蔵する廃棄物の容積を大幅に削減できると指摘している。 CNSCの認可は2012年2月3日まで1年間有効となっている。 |
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