東芝レビュー 原子力を特集 15年までに39基受注

東芝は技術誌「東芝レビュー」12月号で、特集として「原子力事業の新たな展開」を全ページにわたって掲載している。原子力特集を組んだのは07年11月号以来で、全面特集は今回が初めての力の入れよう。

服部拓也・原産協会理事長が巻頭言を寄せ、「今こそ、これまで蓄積してきた技術力をベースに積極的に海外展開を図り、その期待に応えていく必要がある」と述べている。

同号発刊に際して五十嵐安治・執行役上席常務は、「06年10月のウェスチングハウス社を東芝グループの一員に迎え、BWRとPWR両方式を供給できる世界ナンバーワンのグローバルカンパニーとなった」と自信のほどを示した上で、東芝グループとして、軽水炉のフロントエンドからバックエンドまでの幅広い技術分野をカバーするだけでなく、燃料サイクルの決め手となる高速炉や、究極のクリーンエネルギーを生み出す核融合の技術開発にも取り組んでいる、と強調している。

岡村潔・電力システム社原子力事業部長は「東芝グループの原子力事業展開」の中で、世界で唯一運転実績のある第3世代炉のABWRと、安全性と経済性を追求した最新型加圧水型原子炉AP1000の2つの炉型を、「顧客のニーズに合わせて提案し、2015年までに39基の受注を見込んでいる」ことを明らかにしている。

最新の原子力プラント技術や次世代軽水炉開発への取組み、デジタル計装制御、廃止措置、重粒子線照射システム、小型高速炉などの紹介のほか、運転プラントの設備利用率向上でも95%以上を目指した構想なども記載している。

東芝レビューのバックナンバーは同社ホームページ上で見ることができる。


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