原子力機構とタイ 原発導入計画にらみ 人材育成協力などを追加

日本原子力研究開発機構とタイ原子力技術研究所はこのほど、試験研究炉利用に関する協力で附属書を追加し、署名を行った。

原子力機構のJMTRとタイ研究所の「TRR―1」との連携を図りつつ、照射技術の開発や実務研修による人材育成を目指すもの。タイでは、20年頃からの原子力発電導入が計画されていることから、発電炉の燃料・材料等に関する照射技術開発や、若手技術者の育成が急務となっている。両研究機関は、それぞれが有する試験研究炉の利用を促進する観点から、既存の取り決めを改定、本附属書の締結となった。

本附属書のもと、照射技術や運転管理等の情報交換を行い、人材育成のみならず、アジア圏における医療用放射性同位元素の安定供給に貢献するほか、将来的な試験研究炉の概念検討への貢献も期待される。タイの原子力研究では、既存の研究炉をレベルアップする「オンガラック新研究センター」整備計画が現在、中断されている状況だ。

一方、原子力機構でも、JMTRの11年度運転再開に当たり、アジア諸国の中核試験研究炉として、国際的に活用される研究基盤構築を目指し、これまで、8か国と試験研究炉利用に関する協力を締結している。


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