【わが国の原子力発電所運転速報】 2月の設備利用率70.8%に 浜岡5が営業運転に、利用率108%超

原産協会の調べによると、2月の国内原子力発電所の稼働状況は、設備利用率70.8%(対前年同期比0.9ポイント増)、総発電電力量232億4712万kWh(同1.4%増)となった。23日には、調整運転を行っていた中部電力浜岡5号機が、国による最終検査を終了し、09年8月の駿河湾地震で停止して以来、およそ1年半ぶりに営業運転を再開し、月内の設備利用率は実に108.6%を記録した。

浜岡5号機は、06年6月に発生した低圧タービン羽根損傷の取替対応に伴い、当該箇所に圧力プレートを設置したため、定格電気出力を126.7万kWに抑えていたが、検査終了により、運転開始当初の138万kWに回復した。

炉型別の設備利用率は、PWRが78.1%で、BWRの65.6%を依然しのいでおり、プラントごとには、関西電力高浜3号機の107.0%、九州電力川内1号機の106.5%などが顕著だ。

2月に定期検査に入ったのは、6日に停止した東北電力の東通1号機で、同機は、今回の約5か月間の定検期間中に、国による確認・審査を受け、運転期間を従来の13か月以内から、16か月以内に延長することが計画されている。

また、北陸電力志賀1号機は、原子炉冷却材再循環ポンプ軸封部の取替のため、3月1日未明に発電を停止した。

中国電力では21日、妨害行為により、09年11月から中断となっていた上関原子力発電所の海域での準備工事を再開した。同社によると、シーカヤック愛好者らによる違法な妨害行為が行われており、安全を確保するため、作業船の航行や作業を中断せざるを得ない状況がたびたび発生していた。


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