「計画停電」で需要抑制 発送電への被災受け、14日より

「東北地方太平洋沖地震」(M9.0)の影響によって、東北電力と東京電力の多くの発電所、変電所、送電線などに甚大な被害が発生した。

このため特に首都圏を供給圏にかかえる東京電力は、電力需要が供給を上回る状況が予想されることから、同社設立以来初めてとなる「計画停電」を14日から実施したい、と13日夜発表した。

電力需要が供給を広範囲で上回ると、供給地域全域で大停電が発生するため、計画的に地域を限って時限的に「計画停電」を行い、そのとき供給できる電力範囲内に需要量を抑えるというもの。

東京電力では14日の需要予想を最大4100万kW(18時〜19時)、供給力を3100万kWと見込み、その差は1000万kWに達する。

計画停電は関東圏の一都八県に及び、分散的に5グループに分けて、各約3時間ごとの輪番で6万6000V変電所単位で、電力需要状況を注視しながら停電を行う。各グループは500万kW単位。

東京電力では今後1週間程度で、地震で停止した火力発電所の復旧、休止中の火力発電所の再開などで400万kWは確保したいとしているが、計画停止は4月末まで実施する見通し。同じ50ヘルツの周波数ブロックである東北電力が今回甚大な被害に遭っていることから、応援融通が不可能であり、西日本側の電力会社からは周波数変換の関係で最大100万kW程度の融通に止まる。

今後も、夏に冷房需要などで再び1000万kW程度の供給不足が懸念されている。

最も大きな被害を受けた東北電力も15日、被害地域の復興を優先するため翌日から計画停電を実施すると表した。


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