【原子力ワンポイント】広く利用されている放射線(10) 放射線で医療検査やがん治療なども可能

放射線が安全か安全でないかは量で決まります。少量の放射線であれば健康に影響はありません。生命は放射線に対して十分な防御機構ができていると考えられています。

(10)放射線が安全か安全でないかは量で決まる

ゆりちゃん 地球上で受ける放射線の量は国ごとに、また地域ごとに異なりますが、受けても安全だといわれている放射線の量はどのくらいですか?

タクさん 放射線の人への影響は、疫学的調査や膨大な動物実験などにより、よく分かってきています。お酒も飲みすぎないように注意するのと同じように、大量の放射線を一度に受けると、体の中にある臓器や組織に生まれた傷は回復できず、障害(組織障害)があらわれるので、注意が必要です。放射線の量が少ないときは、体に備わった修復能力により、受けた傷はほぼ100%元通りに回復します。国際放射線防護委員会(ICRP)2007年勧告では、100ミリシーベルト(1回あたり)をがんが検出されている最小線量としていますので、100ミリシーベルトを安全の目安と考えて良いでしょう。

ゆりちゃん 人は少ない放射線に対しては修復能力を持っているのですね。

タクさん 放射線が安全か安全でないかは量で決まります。少しぐらいの放射線なら、そのほかの毒物と同じように身体への刺激として受け止めます。生命が地球上に誕生したのは約30億年前ですが、そのときには放射線は今よりも多量に存在していました。生命は放射線に対して十分な防御機構ができていると考えられています。(原産協会・政策推進部)


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