IAEA 天野事務局長来日 「世界と情報共有を」

今回の東北関東大震災に伴う原子力発電所の事故に関連して来日した、国際原子力機関(IAEA)の天野之弥・事務局長は18日午後、東京の日本記者クラブで記者会見した。以下はその概要。

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今回1泊2日の予定で来日した。4人からなる放射線計測チームも同行した。また1名を東京事務所に常駐させ、情報収集と連絡にあたらせる。短い時間だが菅総理(=写真右側)、外務大臣、経産大臣、ならびに保安院、東京電力の幹部と面談した。今回の事故が大変深刻なものであるとの認識に立って、国際社会との連携の下に解決を図ることが肝心、ついては情報の共有を図るべきと申し上げた。

IAEAは「核の番人」と呼ばれることもあるが、核不拡散やセキュリティのみならず原子力安全の活動も行っている。しかし、安全は保障措置のように強制力を持っているわけではない。原子力の安全性確保は基本的に各国の責任であり、IAEAの役割はあくまでも助言、協力であり、今回来日したのも国際救援隊ではない。

チームは団長(原子力安全の専門家)と調整官(日本人で各方面との調整を図る)と2名の放射線計測の専門官からなっている。現在、今後の活動について打ち合わせているところだが、その後直ちに東京において計測を開始したい。今後の予定は未定だが、福島方面にはぜひ行ってもらいたい。

国際機関が独自に放射線を計測することによって、日本国民の安心に役立てば幸いである。日本政府からは、放射線の健康影響など、他の分野でも協力して欲しいとの希望が示されたので、まずは事実関係を調べ、何が弱いかを把握した上で、効果的な協力をしたいと考えている。

来週月曜日(21日)11時から特別理事会を開催し、この問題を話し合うことにしている。


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