UAEで原発起工式 韓国大統領、安全確保を約束

14日にアラブ首長国連邦(UAE)で同国初の原子力発電所起工式が行われ、建設工事を受注した韓国の李明博大統領が出席した。

折しも東京電力の福島第一原発事故発生直後ということで、同大統領は原子炉の安全確保に万全を期す旨、現地の記者会見で表明した模様。UAEのH.アルカービ国際原子力機関大使兼原子力開発担当政府代表も、「建設サイトは地震や津波の発生可能性が最も低いという理由で選定した」ことを強調した。

UAEの原子力発電開発計画では2020年までに韓国製の140万kW級APR(改良型PWR)を4基建設する予定で、17年に初号機の運転開始を目指している。

建設候補地のブラカはペルシャ湾岸、ルワイスの西南西約53kmに位置しており、首長国原子力会社(ENEC)は昨年末、同地で原子炉を建設する認可申請書を連邦原子力規制庁(FANR)に提出。すでに限定的な準備作業の実施が許されている。最終承認はFANRの決定待ちだが、FANRはまた、原子炉設計が津波や地震などの事象に耐え得る安全性を有していることを認証することになる。

アルカービ大使によると、ブラカ選定の際、国際的な専門家チームが包括的な調査と広範囲な選定分析を実施。また、エンジニアは設計ベースでこうした事態に対処できることや、バックアップ用の最新式安全系が利用可能である点の保証、地震物理の理解等に膨大なエネルギーを費やしたという。

韓国の李大統領は、同国で30年以上にわたって原子力発電所が安全に稼働してきた実績を強調し、原子力発電所の安全性に対する懸念を一蹴。UAEの原子炉における安全確保には韓国が総力を挙げてあらゆる手段を講じると約束した。


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