スイス リプレース計画審査を一時停止

スイスの環境・輸送・エネルギー・通信省(DETEC)担当大臣を兼ねるD・ロイタード連邦参事は14日、同国で進められていた既設原子力発電所のリプレース建設計画3件の承認手続きを暫時停止すると発表した。福島第一原発事故を踏まえて、国内原子力発電所の安全基準を注意深く検証するとしている。

同国では5基の原子炉が総電力需要の4割を供給。このうち4基が10年後に運開後40〜50年に達することから、AXPO、BKW、およびALPIQの3電力グループは昨年12月、ベツナウ、ミューレベルク、ゲスゲンの3原発の建て替えについて「共同計画会社」を設立して、3件の建設計画を共同で進めることで合意していた。

ロイタード参事は、日本の事故原因を分析し、新たな安全基準――特に耐震性と冷却システムについて一層厳格な基準策定のための結果を得るよう、DETEC下部組織の原子力安全検査局(ENSI)に指示。それらを新設計画のみならず、既設発電所の状態評価にも活用するとしており、同国の原子力発電開発における「安全第一」主義を貫く考えだ。

すでにスイス連邦の専門家が国際原子力機関や欧州連合など国際レベルの専門家と連絡を取り合い、日本の状況について情報交換している。


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