安全委が環境モニタリング評価 健康影響などHPで説明

原子力安全委員会は25日より、文部科学省による環境モニタリングの結果に対する評価を実施し、順次ホームページ(http://www.nsc.go.jp/nsc_mnt/)で公開している。

文科省では、東北地方太平洋沖地震に伴う原子力災害対応として、福島発電所周辺の空間線量率測定や、ダストサンプリング、土壌、雑草などの環境試料による放射線モニタリングの他、都道府県別環境放射線水準調査結果のとりまとめを継続的に実施し、ホームページ(http://www.mext.go.jp/a_menu/saigaijohou/)で公開している。

しかしながら、文科省の公表は、測定方法、データのみとなっているため、安全委員会では、25日の臨時会議で、原子力災害時の技術的助言を行う立場から、健康影響、防護区域の考え方、監視方法などについて、評価を行った上、毎日ホームページ上で公表することとした。この他、緊急時モニタリングの考え方として、災害発生後の風向きを考慮し、特に、発電所から南、北、北西の方向の大気中の測定を強化すべきとしたほか、モニタリングカー利用の継続に加え、航空機による測定も有効と助言している。

また、同委の班目春樹委員長(=写真左)は23日、震災後初めて東京・霞が関の庁舎で記者会見を開き、大地震で所期性能を発揮できずにいた「緊急時迅速予測放射能影響予測ネットワークシステム」(SPEEDI)による内部被ばく影響の試算結果を説明。この試算結果も踏まえ、25日の助言では、「20〜30kmの屋内退避区域のうち、線量が比較的高いと考えられる区域に居住する住民については、積極的な自主避難を促すことが望ましい」との考え方も示している。


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