トルコのシノップ原発建設計画 仏国炉の導入、視野に

既報のとおり、トルコ・エネルギー天然資源省のT.ユルドゥズ大臣は福島原発事故後の3月24日、3月末までを予定していたシノップ原子力発電所建設に関する日本との交渉期限について「日本側が延長を望むのであれば協力する用意があると伝えてある」と強調した。

しかしエネルギー省のウェブサイトによると、同相は同じ日、「原子力発電所建設に関するフランスの提案については、シノップ発電所のために、現段階でないにせよ、技術的な協議の後、判断する考えだ」と明言。日本との交渉が不発に終わった場合、フランス炉の導入可能性が視野に入っていることを示唆した。

この日はフランスのP.ルルーシュ貿易担当大臣がトルコを訪問。同国での地熱発電所建設協力を含め、両国間の貿易強化を目的とした協議を実施していた。その後、「日本で事故があったからといって、原子力を無視するわけにはいかない。トルコとフランスは原子力やその他のエネルギー分野でも共同事業を実施していくだろう」とするルルーシュ大臣の弁が伝えられており、原子力分野の協力をトルコに提案したことが見て取れる。

ユルドゥズ大臣は、「国際儀礼上、日本との協議が終わらないうちに次の国の名前を口にはしない」とする一方、福島事故後にトルコ国民が原子力の安全性に敏感になっていることから、「あらゆる先進的な技術をトルコの原発に採用する方針だし、どんな投資も安全を危険にさらしてまで行うつもりはない」と言明。日本が積極的な姿勢を見せない限り、シノップ原発の建設がフランスの手に渡る可能性は高い。


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