(写真記事)原子力発電所とはどんなもの 福島第一事故で話題となる主要機器:柏崎刈羽の例

東京電力の福島第一原子力発電所が、3月11日の東北地方太平洋沖地震で発生した大津波の襲来を受け、いままでに想定したこともないような複数基同時の大事故につながった。政府は40日を過ぎた今でも、未だに原子炉は安定しておらず、事故は収束していないとしており、発電所からの放射能放出はかなり減少しているとはいえ、原子炉建屋やタービン建屋の中はかなり高い放射線量を示している。東京電力では、事故状況を示す数値情報だけでなく、最近では動画や写真なども積極的に公表してきているが、発電所の放射線量が高い場所では運転員や作業員も中に入れない状態が続いており、無人小型飛行機やマニピュレータ・カメラ・放射線計測機器を装備した遠隔操作ロボットを活用して、状況把握に務めている。

今号では、地震、津波、その後の水素爆発などで主要機器も損壊している可能性はあるが、健全ならどのようなものなのかを、同社の柏崎刈羽原子力発電所の類似の機器などを紹介して、読者の参考としたい。

(1)原子炉建屋の最地下にある地震計。

(2)自動停止信号が発せられると、チッ素ガスの圧力で瞬時に原子炉下部から制御棒が挿入される。これは制御棒を炉内に挿入するための装置の一部。

(3)原子炉内に制御棒が挿入されると、原子炉が停止する。蒸気の行き先である復水器が使えない場合や原子炉水位が低下する場合には、この主蒸気隔離弁が自動で閉鎖して蒸気の流れを遮断する。

(4)非常用ディーゼル発電機。手前が非常用ディーゼルエンジン、奥側が発電機。

(5)原子炉の主蒸気逃し安全弁。(3)の主蒸気隔離弁閉鎖後に、原子炉の加圧を防止し、あるいは原子炉内の圧力を下げるために、開操作し、格納容器下部の圧力抑制室に蒸気を逃す。

(6)原子炉圧力容器(=左側)を支える基礎ボルトの一部(=格納容器内)

(7)上部から水を放出し、格納容器内の圧力と温度を下げるための「格納容器スプイヘッダ」の列。

(8)原子炉建屋の上部にある使用済み燃料プール。通常時は配管でプールの水をゆっくりと循環させ、熱交換して浄化後、また元のプールに戻して冷却している。

(9)原子炉建屋の上部には、大型クレーンが設置され、定期検査などでは、格納容器や原子炉の上蓋、燃料キャスクなど重量物の移動を行っている。


お問い合わせは、情報・コミュニケーション部(03-6812-7103)まで