OECD/NEAの政策提言 RIの供給保証で「各国の協調必要」

経済協力開発機構・原子力機関(OECD/NEA)は2日、医療用放射性同位元素(RI)の長期的な安定供給を保証していくための政策提言を発表し、各国政府と産業界が共同歩調を取るなど、国際的に一貫した政策アクションを取る必要性を訴えた。

がんや心筋血流の画像診断などでテクネチウム製品の需要が世界的に増しているにも拘わらず、その生産はカナダのNRU炉など数基の古い研究炉に依存。ここ10年来、供給の信頼性は著しく損なわれてきている。

この問題の解決のため、NEAが2009年に創設した「RI供給の確保に関するハイレベル・グループ(HLGMR)」は昨年、この業界で新規の投資が促されるよう、供給チェーンの経済構造改革を訴える報告書を発表。各国政府が採用すべき6つの原則に基づき、経済的に持続可能な供給チェーンの創出、およびその機能に適切な環境を作り出すための経済構造改革で必要となる政策アプローチを策定した。

NEAの運営委員会はHLGMRのそうしたアプローチを正式に支持しており、それらを実行に移すアクションを取らなかった場合、今後10年間に供給不足は恒常的になると警告。供給の信頼性を根本的に脅かしている経済構造を適切に改革するよう各国政府や産業界に呼びかけている。

とりわけ改革が必要な部分、また、政府の明確なアクションが必要な側面として、同委は以下の点を指摘した。

@この業界で継続的な投資が保証されるよう、生産者はMo99製造の全コスト回収システムを構築するA不測の供給不足に対処できるよう、供給チェーン関係者らが十分な生産能力確保のための資材や経費を調達するB市場が安全かつ効率的に機能する適切な環境作りにおいて、各国政府が引き続き中心的な役割を果たすC技術的・経済的に実行可能であれば、低濃縮ウランをターゲットとするRI生産への移行を各国政府が支援するDMo99/Tc99mの供給保証に世界全体が一貫したアプローチで取り組むため、各国政府と供給チェーン関係者が共同歩調を取るE経済的に持続可能な供給チェーンへの移行を定期的に審査するため、チェーン関係者が支援する。


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