東京電力 福島第一事故対応を改定 滞留水利用し循環冷却へ

東京電力は17日、福島第一原子力発電所事故の収束に向けた取組の進捗状況を発表した。先月17日に、同社は事態収束に向け進めていくべき課題を、3か月程度(7月中旬目途)の「ステップ1」、続く3〜6か月程度の「ステップ2」に区分して取りまとめており、1か月経過したことから、これまでの総括と合わせた改定版として示した。

前回、各ステップで目標に掲げた「放射線量が着実に減少傾向になっている」、「放射性物質の放出が管理され、放射線量が大幅に抑えられている」に変更はないが、冷却、抑制、除染・モニタリングの3分野と、原子炉、燃料プール、滞留水、大気・土壌、測定・低減・公表の5課題に対し、改定版では余震対策等、環境改善の2分野と、地下水、津波・補強・他、生活・職場環境の3課題を追加し、計5分野・8課題に再整理している。

原子炉関連では、作業環境整備後、1号機原子炉建屋に入り、内部状況を確認したところ、格納容器から冷却水の漏えいが判明したため、「ステップ2」での冷温停止状態に向けた主対策として、建屋等に滞留する汚染水を処理して、原子炉注水に再利用する「循環水冷却」の確立を、冠水作業(燃料域上部まで格納容器を水で満たす)に先んじて実施することとした。

一方、滞留水は増加傾向にあり、処理施設の運転開始と、「循環注水冷却」の早期確立による抑制が重要課題となってきており、同時に、海洋汚染拡大防止対策の強化や、地下水の汚染拡大防止に向けた諸対策が追加された。


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