フィンランドの安全審査結果 緊急の改善は不要と結論

フィンランドの放射線・原子力安全庁(STUK)は16日、福島事故後に実施した国内原子力発電所の安全審査の結果、「緊急に改善を要するような新たな危険要因や不備は認められなかった」ことを明らかにした。

雇用経済省(TEM)の3月15日付けの要請により、洪水その他の重大な自然現象に対して既存炉の機能がどの程度対処可能か、また、さまざまな故障や不具合が生じた際の電源確保体制について調査していたもの。TEMのペッカリネン大臣は「STUKによって我が国の原子力発電所の安全性が高いレベルにあることが確認された」とする一方、産業界は発生リスクの極めて低い事故についても、最小限に抑えるための開発を継続すべきだと強調している。

STUKによると、福島事故の原因となったような極端な自然事象はフィンランドでは起こりえないものの、考慮しなければならない要因が同事故によって明らかになった。緊急の改善が不要である一方で、ある例外的な自然条件によっては事業者が継続的に調査しなければならないとした。また、それらの実施計画については、EU閣僚理事会が年内の実施を要請している域内原子炉143基のストレス試験と日程等を調整して固める必要があるとしている。

事業者が追加で調査すべき項目としてSTUKが勧告したのは、ロビーサ原子力発電所において、発生の可能性が物理的にも確率的にもほとんどあり得ないと考えられる洪水の影響。同時に、フィンランドでこれまで起こり得るとされていたどの地震よりも大規模な地震の際、発電所のシステムが十分機能するかどうかを調査すべきだとしている。STUKはまた、事故時の発電所で電力供給を確保する機能についても事業者による調査が必要だと強調した。

STUKは今後、福島の教訓と調査結果を国内原発の安全研究プログラムに反映させるとともに、さらに包括的な調査報告書を6月末までに準備する予定である。


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