福島原子力損害 避難者帰宅、風評被害で指針

政府は5月31日、福島の原子力災害に関する損害賠償判定の第2次指針を決定、先の1次指針で対象とならなかった政府避難指示に伴う帰宅費用、出荷制限指示に伴う損害、風評被害などの範囲について、基本的考え方が示された。文部科学省に設置された原子力損害賠償紛争審査会(会長=能見善久・学習院大学法務研究科教授)で検討を行ってきたもの。

原子力災害発生に伴う避難生活に係わる補償については、「仮払補償金」の支払いが既に進められているが、第2次指針では、福島第一発電所から半径20km圏内の警戒区域住民に対し実施している一時立入りに伴う費用や、屋内退避区域の指定解除に伴う帰宅費用について、賠償すべき損害とすることとなった。一方、避難生活による精神的損害については、引き続き検討していく。

また、政府による農産物の出荷制限指示により、その後の作付を断念することで生じた減収、同指示の解除後の減収も賠償の対象とすることとされた。

風評被害についても定義し、今回の事故と相当因果関係のあるものであれば、賠償の対象とすることとし、営業損害の他、取引先の要求により実施した検査費用も損害項目に含めることとなった。


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